第45章 モランゴーニュへ、老師をたずねて−その2

「ふ、ふ、ふふ、、
人間は重ねた悪事の重さに耐えられなくなるとどこからか魔物を持ってくるんじゃ、そしてお決まりの魔物退治じゃ、正義づらして、、、すべてはその魔物が悪いとな、、こんどの魔物はなんじゃ!? 星か? 星まで魔物扱いするんじゃば、もう、浮き世では、タネが尽きたがや、、
よいか、ラッコ、すべての、、ん? なんじゃ?」
ロッコです。
「わかっておる。よいか、ラッコ、すべての魔物は人間の心のうちで生まれたものじゃ。人間が都合よく創り出したものに向かって行くお前はなんじゃ? 道化か?」
僕はただわるい星から地球を守りたいと、、
「その星が悪いとだれがきめたんじゃ」
え!?、でも、、、たくさん星がやられてしまったんです。
で、今度は地球に、、
「まぁ、よい、こっちへこい。そこに座れ。これ食うか」
なんですか
「ほしがきじゃ」
星、、ガキ!!??

「ヒヒヒ、、ヒ、、そんなもん食えるか、干した柿のことじゃ」
わあ、柿大好き。
「七個じゃ」
「その星が壊してきた星の数じゃ」
え〜へ、どうして、、、(知ってるのかな?)
「そのうち三つはくず星じゃ、、放っておいてもそのうち軌道からはずれ崩れていく星じゃった。
あと二つは、賢星と力星じゃ。おまえの相手にしている星はまだほんの子どもじゃ、赤子のようなものじゃ」
でも140億年前に生まれたんですよ。
「違う。生まれたのは、1580年2月6日じゃ」
、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、
「まだ500年も経っておらん。子どもじゃ、ほんの子どもじゃ。生まれても育てるものもいず、助けるものもおらん。ましてや道理を教えるものなどおるはずもなかった。
考えてみよ、ラッコ、
140億年という時はたしかに過ぎた。じゃがそれはその星の知らぬ外の世界の話じゃ。例えていうなら、生まれてすぐ幽閉されて物心ついたころほれ生きていけ、と、表へ出された子どものようなもの。そんな子にどんな全うな生き方を望めばいいのじゃ。
こうゆう運命の子はのう、生まれつき鋭い警戒心だけは持たされているのじゃ。じゃから賢星、力星、地球が誕生したときいち早く身の危険を感じておったのじゃ。
オトを食らわねば生きてゆけない。おかしなもんじゃ。じゃが、止むおえんだろう。劇しいオトとともに育ったのじゃから。賢星、力星に立ち向かっていったのも、身を守るためにすぎん。
のう、ラッコ。これでも簡単に悪い星と言い切れるか?」
でも賢星も力星もこの星にやられちゃった。これは悪いことじゃないんですか?
「ほほう、先程おまえはワシになんと言った?」
先ほど?
「地球を守りたいためだと、ぬかしたではないか」
ああ、はい。このままいくと賢星、力星と同じ様にやられちゃうので。
「この星も自分を守りたいのじゃ。賢星、力星、地球はいずれこの星に対峙する。やられる前にやったのじゃ。結果はみな驚いた。ワシもな。“力愛不二”とはいうが、やはり賢いだけでも、力に溢れているだけでもだめなんじゃのう」

しばらく時間が経った。
ロッコは突きつけられた言葉にかえすことばがなかった。
とても気が重く、それに答えることがどんなにむずかしく
うかつに言葉をはさめないことをしみじみ知らされていました。

老師はロッコの顔を見て再び言い始めました。
「この世の中、戦うことなどなにもないのじゃ。そのことを肝に銘じて知るが良い」
と、老師の細い目が鋭くロッコを威圧した。

ロッコは錯綜した。
戦う、、戦う、、、、こころでつぶやきながらこれはロッコには反論出来る気がした。
もともとネコだし、テリトリーを守る為に、エサを確保する為に戦う用意はいつでもあったからだ。

しかし簡単には言い出せなかった.老師が再び口を開いた。
「お前は、人間と共に生きる運命を選択したたいそう変わったネコじゃ。その運命を決めた以上、ネコだからということは言えんことじゃ、それがお前の望みであり、決めた道じゃ。そうじゃろ、?」
あ、はい
「人は戦う代わりに知恵を得たのじゃ、知恵を使わぬ者は、愚かじゃ。知恵を戦う為に使う者はもっと愚かじゃ。
赤子の様な星に地球の様な手練手管の星が何を騒いでおるのじゃ」

でも、もう時間が、、そこまで来てるし、、
ボウエイ会議でも、、意見がまとまらないしとにかくみんなを救わなければ、、、、ならないし。
「諭すのじゃ」
さとす?
だれが?
「おまえじゃ」
だれを?
「みなじゃ」
このほしのことを?
「みなじゃ」
みな? 地球の人も、、?
「みなじゃ」
そんなこと、、できるかなぁ
「それが出来ぬのならお前はもう必要のないものじゃ」
ちょっと待って、、話しても分からない人がいるんです。
「諭すのじゃ」
恐ろしい武器を持っていくかもしれないんです。
「己を知り相手を知る、やるべきことは自ずと見えてくる。武器などいらん」

ロッコはもう一度その言葉をかみしめた。
さとす、、、さとす、、

「人間とは実にいろいろなものがおる。成さねばならぬことが目の前にあるとき、時として人間ほど厄介な者はいないことに気づくであろう。その時は、お前はどうする!?」
え!?
「幻相手に地球規模で立ち向かおうとしている。よもや、破壊しようなどと、とんでもない事をしでかすんじゃないじゃろな、、、、」

帰り道、ロッコは老師にいわれた最後の言葉がいつまでも頭にこびりついて離れませんでした。