第6章 失なわれた愛

「1900年代を序章として地球は宇宙時代に入っているはずだったのです。それなのにこの星では、いまだに内輪の人間同士の小さなことによる諍いが絶えません。もう、早く自立して宇宙のいちいんとして、地球の役割をになってほしかったのです。
お聞きなさい、ロッコ。『愛』は形の無いものといいました。でももし、見ることのできない、触ることもできないことでも、深い想像力と強い信念を持ち、なにより私を信じてついてこれるなら『愛』の存在を実感することが出来るかもしれません。どう? ついて来れますか?」
は、はい!
どこかにいくの?
「宇宙よ」

ロッコの好奇心はいまや「愛」に夢中です。言葉も二文字だし”ア・イ“は、何処の国のネコもしゃべる。発音は“ア~~イ”と、ちょっと違うけど何か欲しい時、その頭につける。だからすぐ憶えた。それが、とても大事だとその人は言っている。なにかが生まれる時、これが大切だと言う。
ロッコは『愛』を知りたくてたまりません。どんなものなのか、形はないと言う。目にも見えないと、、ロッコはそれが不思議で手で触ることさえも出来ないモノで、人間がもうダメだとか、、こんなに大きな地球から、そのことが無くなっていくことがそんなに大変なこととは思えなかった。
だからそれを知ることができるなら、どこへでもついて行こうと思った。触ることも、目で見ることも出来なくても大丈夫、、。匂いを嗅いでみるんだ! と、ロッコは秘かに思った。

「じゃぁ、ゆっくりと大きく深呼吸をして、全部はいたら目を閉じなさい。いいですか、これから先はずっと目は閉じたままです。決して開けてはいけません。開けなくても何でも見えます。信じていれば。わかりましたか?」
目を開けてはいけないといわれたロッコは、口もあけてはいけないと思い込み、ぐっとまいちもんじに結んでいたので、こっくりと大きくうなずきました。

「ほら、見上げてごらんなさい無数の星がピカピカと競うようにわたしたちを誘ってます。行きましょう、さぁ、手を、ロッコ」
ロッコの右手は、その人の、白く長い指に肉球ごとしっかりにぎられた。

「80億光年宇宙の旅よ! ロッコ」